2014年2月21日金曜日

チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ) (Ictalurus punctatus)

魚類
原産地:北米
捕獲難易度:★☆☆☆☆

大きなものだと60㎝を超える。霞ケ浦水系では90cm以上のものも時折捕獲されるという。

アメリカナマズとは
このアメリカナマズ(別名チャネルキャットフィッシュ)も食用目的で日本に持ち込まれたが、
食卓の前に野外に定着してしまった外来魚の一つである。

事実、食材としてのポテンシャルはなかなか高い。
原産地の北米ではポピュラーな食用魚で、フィッシュアンドチップスなどに利用されているようだ。

餌を用いれば簡単に釣れる。ただし、暖かい時季に限る。

日本国内では爆発的に個体数が増加した霞ケ浦水系を中心に分布を拡大しており、何でも食べてしまう食性から在来種への影響が懸念されている。
 

腹を割くと、胃からはウグイやワカサギ、テナガエビといった在来種のほか、ブルーギルやアメリカザリガニなど同郷の外来種まで多様な生物が見出される。

また、ワカサギなどの漁獲対象減少はもちろんであるが、胸鰭の鋭く硬い棘(特に幼魚のものは針のように尖っている)が漁網に絡まって作業効率を著しく低下させるため、霞ケ浦の漁業者らにはオオクチバスやブルーギル以上に忌み嫌われている。

日本のナマズ(マナマズ)との違い
 

左が在来のナマズ(いわゆるマナマズ)、右がアメリカナマズ。こうして並べてみると外見は大きく異なっているのがわかる。

アメリカナマズは遊泳に特化した二叉型の尾鰭と流線型の体型を持つ。あえて在来ナマズで言えば、むしろギギに近い印象を受ける。
一方、マナマズはいかにも底生性といった体型で、各鰭もアメリカナマズに比べると貧弱だ。ちなみに髭の本数も少ない。

捕獲はエサ釣りで

アメリカナマズの捕獲は、霞ケ浦水系に限って言えば非常に容易である。
頑丈な釣り糸にエサを刺した丸セイゴ鈎やチヌ鈎を結んで水底に放り込んでおけば驚くほど簡単に釣れる。
ただし、それも春~秋口にかけての温暖な季節に限った話で、晩秋~冬季はウソのように釣れなくなってしまうので注意が必要だ。

仕掛けは一本鈎の胴突きでもキャロライナリグでもなんでもいい。
河川で狙う場合は仕掛けが流されないよう20~30号程度のオモリを用意しておこう。
逆に、それ以上のオモリでも流されるような急流はアメリカナマズもあまり好まないので、おとなしく釣りやすい淀みを探そう。


サバやサンマの切り身は食いつきも鈎持ちもよく、かつ安価なので利用しやすい。

エサは臭いの強いものならば何でもいいが、集魚効果と入手の容易さを考えるとサバやサンマなど青魚の切り身がおすすめだ。

ちなみに、イカの塩辛やよっちゃんイカ、フライドチキン、果てはグミキャンディーなどコンビニで購入できる食品でも釣果が報告されている
色々試してみても面白いかもしれない。

食べ方

導入の経緯を考えれば当然だが、清浄な環境で捕獲したものは加熱すれば食べることも可能である。

ただし、臭みが強い個体も多いので、皮をひく、牛乳や香草に浸すなど臭い消しの工夫が求められる。

皮と身の間に臭いがたまっている場合が多い。皮は問答無用で取り除いた方が良い。 

川魚の臭みを軽減するためには牛乳に浸すのが常套手段。アメリカナマズにも有効だ。 

調理法はおとなしくフライにしておくのがベスト。
臭みが不安な場合は味付けにカレー粉を使うと、さらに臭いを抑えて食べやすくなるとか。



ちなみに、残念ながらどんなに手を尽くしても臭みがとりきれないツワモノ個体も存在するようだ。
そういうのに当たってしまったら…ご愁傷様である。


そんな魚でも、二週間ほど泥抜きをしてやれば十分美味しく食べられるようになるはずなのだが、
アメリカナマズは特定外来生物に指定されている。
よって無許可での蓄養と活魚の輸送、すなわち家庭での泥抜きはNG。
絶対やらないよう気を付けよう。



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